用語集 さ-も


『死に戻り』

主人公ナツキ・スバルが異世界に転移した際に備わった、本作の中核を担う特殊な能力。
死ぬと記憶を保ったまま一定の過去へ巻き戻り、回数も無制限。
極限の修羅場とその末の死亡体験をコストとした非常に迂遠かつ高確度な未来予知、更には因果の操作とも言えるが
本編内では能力というより嫉妬の魔女がスバルに科した呪いとしての側面が強く描写される。

他者に能力に関わる説明をすると嫉妬の魔女と思しき『黒い影』がそれを妨害し、最悪の場合説明を受けた相手の命を奪う。
そのため『死に戻り』を秘匿したまま他者を説得するという、非常に高度な交渉術を伴わなければ能力の有用性は半減される。
スバル曰く、死に戻りを繰り返すたびに『黒い影』は近づき、
はっきりと形になった時が自身の精神の限界であろうという予感を抱いている。

『死に戻り』の起点となる「セーブポイント」は、スバルが死を迎えることでしか越えられない状況を覆すたびに変動、更新され
スバル以外の被害は考慮されない、というのが『強欲の魔女』エキドナの考察である。

完全版の福音書を所有するロズワールは多少の齟齬はあれスバルの『死に戻り』の存在に気付いており、
その能力を「権能」と表現している他 (*1)、現時点では推測の域を出ないものの
『死に戻り』が空位になっている魔女教大罪司教『傲慢』の権能ではないか、という示唆が本編内で何度も散見される。

シュガー

砂糖。

シャトランジ

将棋やチェスに近いルールの、駒と盤を用いるボードゲーム。

試練

エキドナの墓所で夜に行われ、三つの試練を突破すると聖域が解放される。
資格を持つ者が入ると墓所内に灯りがついて、夜であれば試練が開始される。資格を持たない者が入ると、気分が悪くなったり大けがを負ったりする。ゲートの数が多くて大きい人ほど被害が大きいため、魔法使いや才気溢れる人間ほど重傷となる。資格条件は、ハーフであることか、エキドナに資格を与えられた者に限られる。

第一の『試練』

開始の言葉は『まずは自分の過去に向き合え』。過去の自分を見せられる。達成条件は自分の後悔の象徴に区切りをつけること。過去における自分の行いを肯定するか、否定しきるか。受け入れきれずに拒むのであれば、それもまた未達成という形の結末となる。自分が変わることを受け入れたか、あるいは変わらないことを選べば『試練』は越えられる。

第二の『試練』

開始の言葉は『ありうべからざる今を見ろ』。違う人生を歩む自分を体験する(あくまでも超高度な仮想空間であり並行世界ではない)。達成条件は夢より現実を選ぶこと。

第三の『試練』

開始の言葉は『いずれきたる災厄に向き合え』。意識だけの存在となって、起こりうる可能性の高い未来の断片をいくつか見せられる。達成条件は悲劇的な未来が待っていると知っても進むと決めること。

神龍儀

ルグニカ王国(の巫女あるいは国王)と神龍ボルカニカとの間で盟約の確認が行われる儀式。
どのくらいの間隔で行われるかは不明だが、作中の直近の神龍儀は王選開始日から3年1ヶ月後。

聖域

メイザース家当主が代々受け継いできた、人族と亜人族とのハーフだけが暮らす寒村。森の開けた場所に点々といくつか家屋があり、辛気臭い雰囲気が漂う。『聖域』の入口、ひどく古びた石でできた門がさらにそのイメージを強調しており、背の低い柵に囲まれた村からは閉鎖的な印象が感じられる。『聖域』と呼ぶロズワールに反して、中の住人は『強欲の魔女の墓場』と呼んでいる。

聖域の結界

ハーフ種族の移動を制限するエキドナの結界。結界に囚われる存在は、その結界を目前にするだけでも意識が危うくなり、存在が掻き乱されるような不快感を味わうという。結界を超えて気絶したハーフを連れ出しても、中に中身が置き去りなので結界の外では目覚めない。
結界の選別方法は、結界を通り過ぎる存在の体の中の血脈を探り、そこに人族の血と亜人族の血をはっきり確認できる相手を弾く。血の濃さが、結界がハーフとそうでない人を見分ける条件。

精霊

マナが活動力の源で、蓄えが減少して十分に溜まっていないと眠気が続いたりする。強力な精霊と契約するには、莫大な量のマナや複雑な条件などの重い対価が必要。

準精霊

微精霊より力の強い精霊。ユリウスいわく、精霊としての格を得る前の蕾。

人工精霊

『強欲』の魔女エキドナによって創造された精霊。現在パック、ベアトリス、エキドナ(襟ドナ)の3体が確認されている。
天然精霊との区別は提示されておらず、精霊使いからは普通に高位の大精霊としての畏怖を受ける。
というか今のところ天然の大精霊というものは本編に登場していないが、それで良いのか精霊界。

微精霊

微力な精霊。蛍の光のように儚げで頼りなく揺れる様々な色の光。属性によって色が異なる。精霊使いのマナを介した触れ合いで、わりと簡単に協力を取り付けられる。

精霊使い

精霊術の使い手。ゲートと無関係に、大気中のマナを使って術を使う。扱える術の強さは、契約してる精霊の力に依存する。戦いの際は、精霊使いと使役する精霊の、実質2人による攻撃と防御の役割分担が可能なため、『精霊使いに出会ったら、武器と財布を投げて逃げろ』という戦場のお約束があるほど厄介な存在。

ソルテ

塩。


大罪魔女

7人の魔女。
  • 一般人目線の魔女危険度スケールは、嫉妬>暴食>>色欲>傲慢>>>強欲>怠惰>>>>>>>>憤怒。
  • 世界規模で見た場合の魔女危険度スケールは、ミネルヴァ>>ダフネ>カーミラ>テュフォン>エキドナ>>>>>セクメト。(サテラ:世界の半分を飲み干した)
  • 常識力は、セクメト>カーミラ>ダフネ>エキドナ>ミネルヴァ>テュフォン。(サテラ:彼女の辞書にそんな言葉はない)
  • 腹黒ランキングは、強欲>>>>>色欲>>怠惰・暴食>>>傲慢>>>>>憤怒。(嫉妬:番外。もう腹黒とかそんな次元にいない。)
  • 戦闘力ランキングは、嫉妬>>怠惰>>>傲慢>暴食>>強欲>色欲>>>>>憤怒。

大瀑布

東の果て。大陸の端からいきなり滝になっている。滝の終着点は見えない。

退魔水晶

魔法を身代わりに消す効果がある。
複数の水晶を一斉に砕くことで白鯨のマナ散布による霧を晴らす霧払いの結晶石として使える。


認識阻害のローブ

エミリアが王都や村などに出掛ける際、ハーフエルフである事実が招きかねないトラブルを避けるために羽織っているローブ。認識を阻害する効果のある、ややこしい術式が編まれている。着用者が許可するか、その効果を突破できるような人でないと、着用者に見えない。


バルグレン

四十年近く前に、ルグニカの南方に存在していた三つ首の邪龍。
討伐に参じた騎士団の五百の一割が死亡し、四割が壊滅した。
翼竜の中でも龍と呼ばれるに相応しい難敵だった。

ビネギー

酢。

ピーマル

緑の悪魔。

ファネルの実

小さな木の実。すり潰して粉末状にしたものを摂取すると、体が熱っぽくなり、自分に素直になる効果が現れ、強い眠気も引き起こす。

封魔石の祠

嫉妬の魔女が封印されている。

福音

黒い装丁の本。所有者の未来を記す予言書。所有者と世界記憶の誤算が少ないほど細かい内容が明記される。

ロズワールとベアトリスの福音書

エキドナ作の完全版。叡智の書の機能限定版。世界に2冊しか存在しない。

魔女教徒の福音

不完全版。魔女の意思を介在し、所持者の望む未来への道筋を記述する魔本。少しずつ曖昧な内容が追記されていく方式。完全版福音書の術式が元になっている。記述の回数は信徒によって異なり、多くもない。所持者しか読み取れず、別の人が読んでも不思議と内容が頭に入らない。

ペッパ

胡椒。

宝珠

エミリアが胸元に下げているペンダントの先端を飾る、掌に乗るサイズの緑色の結晶。エミリアが契約する精霊であるパックの依代。純度の高い稀少な魔鉱石。

ボッコの実

丸く柔らかい舌触りの甘酸っぱい果物。食べると体の中のマナが活性化して、ほんの気休めだがゲートが力を取り戻す。傷の治りも早くなる。あまり数がなく、体にも良くないのでご利用は計画的に。


魔鉱石

マナを含有した純粋な結晶体。加工により属性を付加して様々な用途に使われる。

魔刻結晶

魔刻結晶は書籍版に登場する名称。色の変化によって時間を知らせる時計代わりの結晶石。緑色は陽日零時から六時を意味する風の刻。赤色は陽日六時から十二時を意味する火の刻。青色は冥日零時から六時を意味する水の刻。黄色は冥日六時から十二時を意味する地の刻を表す。陽日が午前、冥日が午後にあたり、時間が経過するほどそれぞれの色が濃くなる。

呪い師

呪い師(まじないし)、転じて呪術師は、北方のグステコという国が発祥の、使い道がおおよそ他者へ害する形でしか存在しない魔法や精霊術の亜種。
対象を衰弱させて、眠ったように殺したり、呪いによって対象に病魔を入り込ませたり、あるいは一定の行動を禁じる制約を持たせたり、純粋にその命を刈り取ったりと性格の悪い系統。一度発動した呪術を防ぐ手段はないが、発動前は呪術ではなく単なる術式でしかないため、解呪はある程度の実力がある存在なら簡単にできる。
効力が強い術式を扱えば、負担も重くなり、呪術は特にその側面が強い。どんな効果がある呪術を行うかで対価の内容は変わるが、呪術を発動させるには呪術を行う対象との接触が必須条件である。

魔獣

魔力を持つ人類の外敵。人類に仇為すため、魔女が生み出したと言い伝えられている。マナを主な食事としている。角を折られた魔獣(『ツノナシ』)は折った相手に従う。

・・・というのが一般的に広まる魔獣という生物の認識。
元々は人類に仇為すためではなく、世界から飢餓をなくすための食料として『暴食』の魔女ダフネが創造した神と異なる生命群の総称である。ダフネの意思や気分で「なんとなく」生まれてしまうそれらは「主食がマナなので生息地域を選ばず餌も不要」、更には「食肉効率を上げるため個体をどんどん大型化させる」、というダフネなりの配慮によって人間では歯が立たないほどの戦闘能力も備えてしまったため逆に人間の方が魔獣の捕食対象になった、というのが事の顛末である。 (*2)
魔女の放つ瘴気に惹かれるという共通点から魔獣と魔女教の関係性は長らく取り沙汰されてきたが、
アナスタシア曰く、実は魔獣には瘴気を忌避嫌悪する生態がある、という説もあるらしい。

岩豚

ワッグピッグ。
漆黒の肌に、岩のような分厚く固い皮膚。円らな瞳は凶悪な敵意に赤く光り、巨人族でも一飲みにできそうな大きな口と、石臼のような平たい歯が特徴的な生き物。一見、三倍ほど大きくしたカバに似ているが、その獰猛さと凶悪さも三倍ぐらいになる。

ギルティラウ

森の漆黒の王。影獅子。
獅子のような猫科の猛獣の頭に、胴体は馬か山羊のような細くしなやかなシルエット。長い尾はのたくる蛇のように鋭く巡らされ、その図体は広い通路を塞ぐ程馬鹿でかい。
瘴気の濃い森の奥などに生息している猛獣の親玉みたいな存在。地域によっては森の静かなる王と呼ばれ、他の魔獣と違って無用な雄叫びや物音を立てることを好まない。その巨躯と異形に反して軽やかに荒れ地を飛び回り、音もなく獲物に接近して急所を一撃で仕留めるといった、奇襲、暗殺めいた狩りを最も得意としている。
住んでいた森が炎に包まれて安住の地を失った際、角を折られてメィリィに従うことになった。メィリィの命により隠し通路のある部屋の番を任されていたが、おびき出された先でことごとく罠に引っ掛かり、体に火がついてからはパニックを起こしたようにその場で暴れ回り、燃え尽きるまでそのままだった。メィリィからは、言うこと聞かないしすぐカッとなるから扱いづらいと評された。

黒翼鼠

黒い翼を生やした鼠。コウモリのような魔獣。

ジャガーノート(書籍版:ウルガルム)

全身を黒い体毛に覆われ、鋭い牙を並べた涎が滴る大きな口、赤い双眸を持つ、狼の様な魔獣。体長はおおよそ一メートルほどで、体重はおそらく三、四十キロほどの、全体的にシャープな体形。頭頂部に黄色がかった角が生えている。離れた対象からマナを奪う呪いをかけることができ、空腹になると食事の為にマナを奪い衰弱死させる。

双頭蛇

アボンスコンダ。腕ほども太さのある体を引きずり、二つの頭を持つ。

袋鼠

バーナッシ。行き止まりに網を張り、気を抜いた瞬間を狙う。怒りに比例してその体を膨張させる。

斑王犬

分厚い体毛と鋭い爪を手足に備えた四足獣。斑の毛色を持ち、ハイエナに似ているが体躯は人の2倍ほどもある巨躯。

土蛇

十数メートルにもなる巨大な蚯蚓の魔獣。
王都近郊の南東の街「クラムリン」にほど近いコルドロ山の中腹にある、「土蛇の巣」の名で知られる洞窟に生息している。地元民は魔窟と恐れて近付かない「土蛇の巣」の正体は、土蛇がその巨体で掘り進んだもの。地元の住民を除いて、土蛇は迷信だと考えられていた。
亜人戦争後の巡回にて、ツェルゲフ隊によって発見、討伐される。

百足棺

むかでひつぎ。拘束されるダフネが移動を不便に感じて想像した、ダフネを納める棺桶に擬態した移動用の魔獣。
普段は黒棺だがダフネの意志により下部から蟹の足のような爪が無数に生えて高速移動を可能にする。
ダフネ同様エキドナの精神世界のみに生息する魔獣なので、一応は想像上の魔獣という事になるだろうか。

アウグリア砂丘の固有種

魔女の祠に程近いアウグリア砂丘では高濃度の瘴気のため魔獣の巣窟となっており、在来種の魔獣でも他の地域に比べ大型化、凶暴化する傾向が強く、この地域にしか生息しない固有種も多い。

一角獣

いっかくじゅう。アウグリア砂丘の固有種、本編には未登場でミルーラの酒場の店主の話題にのみ名称が挙がる。(あるいは後述の餓馬王の事を指している可能性もあり?)

花魁熊

おいらんぐま。本来はカララギ地方に生息する全身に花を咲かせた熊型の魔獣。アウグリア砂丘には砂地に不似合いの花畑が点在し、花魁熊はそこを棲地として集落を形成する。体長は2~3メートル、後脚は短く、代わりに前腕は地面に擦るほど異様に長い。黒い毛で覆われて見える腕は太く、その先端には鉤爪のような爪がびっしりと生えている。見た目のイメージと反して全身に咲かせた花は寄生植物で、宿主である熊型の魔獣の水分と養分を極限まで吸い尽くし、花の咲いていない部分は肉も皮も萎み、顔貌はミイラ状に枯痩し、眼球が丸く突出している。全身を覆う黒い体毛に見えるのは寄生花の吸根で、宿主の体毛は死滅している。

餓馬王

がばおう。アウグリア砂丘の固有種、砂丘の地下空洞に群生するこの地域最強の一種。体長は6~7メートル、容姿は端的に表現すれば「首無しのケンタウルス」、頭部に当たる部分に一本角が生え無眼、口腔は人体部胸部から腹部にかけて縦に付いており、人間の赤子のような声で鳴く。視力がない代わりに聴覚に優れ、鳴き声の反響を利用したエコーロケーションによって周囲を認識する。背面には鬣が生え高温で燃焼しており、引き抜いても燃え続ける、これにより、球体にして捕食対象に火球を投擲する、武器を形作って接近戦を挑むなど自在の操作が可能。
他の魔獣と違って角が折れても再生するため懐柔が出来ない、また再生能力は角のみに留まらず、欠損した組織の復元、また手足を増やす、体表を硬化させるなど、強敵と相対した際に自らの肉体を自己強化することも可能。まさしく「砂海の王」の名に恥じぬチートスペックだが『賢者』シャウラには手も足も出ずにブロック崩しのブロックみたいな最後を遂げる。

砂蚯蚓

すなみみず。アウグリア砂丘の固有種、厳密には在来種もいるようだが、アウグリア砂丘の固有種は在来種の体長の実に数千倍に及ぶ。無脊椎、無眼、手足を持たず体表は湿潤で臭気を伴い、砂地の下に生息するため横縞を持つ全身に砂を纏わり付かせている。口腔は頭部と同径まで広がり、人間の四、五人ならば一飲みにしてしまえそうなほど大きい、口内には繊歯が並び、溶解性の唾液を分泌する。

三大魔獣

ダフネの生み出した魔獣の中でも特に人類の生存圏に対して深刻な打撃を与えてきた3種の魔獣に対しては特に「三大魔獣」と呼び、ある種の災厄として別格の警戒を敷いている。

大兎

おおうさぎ。ダフネが生み出した三大魔獣のひとつ、多兎、転じて大兎。大きい長耳を持つ握り拳サイズの白い兎。人間をエサとしており、周囲の生物を喰らい尽くすと群の中で共食いをしながらエサを求めて移動する。単体では非力だが、霧の水滴に匹敵するほどの数がいて、一匹残らず殲滅しなければ残った一匹から分裂増殖を始める。
大兎には他の魔獣と違って造物主であるダフネが特に自身の飢餓感覚を投影させている、スバルはダフネとの邂逅においてその圧倒的な飢餓感を追体験した際、無我夢中で自身の右手を自食していた。作者twitterによりこちらの世界に換算した時の誕生日は6月5日が設定されている。

黒蛇

くろへび。ダフネが生み出した三大魔獣のひとつ、病巣の魔獣。触れるだけで百の病に生き物を浸す。そして黒蛇の這った土地は呪いを帯び、魔獣以外は住みつけない死の土地へと変貌する。
黒蛇の邪舌が這った肌には、赤黒い火傷のような傷跡が刻み込まれる。ある者は首から上の肌が赤黒い斑点に覆い尽くされ、あらゆる顔面の器官からどす黒い血を垂れ流し、ある者は水を吸い尽くされた大地のように身体が枯渇していき、動かすことができないどころか触れただけで崩れて散ってしまいそうな状態となる。
三大魔獣の中で、白鯨や大兎以上に制御できない。暴食の制御下にある白鯨や、進路を誘導できる大兎とは違い、誰にも従わないただの厄災、災禍の中の災禍。
姿は不明だが、まるで巨大な蛇が獲物を前に舌を出し、地面を這うような、しゅるしゅるとした音が確認できる。

白鯨

はくげい。ダフネが生み出した三大魔獣のひとつ、霧の魔獣。巨大な白い鯨の姿をしている。
神出鬼没で出現した際には周囲一帯を霧が覆う。白鯨の放つ『霧』は、白鯨の持つマナが変異したもの。要するに指向性を与えられ、可視化されたマナの散布が『霧』に当たる。『消失の霧』は、白鯨の体に無数に開く口から吐き出される一段と色の濃い霧で、触れたものを周囲の記憶ごと存在から抹消する。咆哮一つで耐性のない者は心を折られて戦闘不能に陥る。激しい攻撃を受けると分身が出現し、本体は攻撃の届かない上空へ逃れる。
未確認ではあるが、大罪司教『暴食』担当ライ・バテンカイトスは、同じだけの時間(約400年)をかければこの白鯨の飼育、育成が可能だと述べる。

魔女因子

大罪の権能を与える。魔女因子を宿した物を倒すと、倒した者に移る。
現在、スバルは怠惰と強欲、二つの魔女因子を保有している。
……が、シャウラによると3つあるらしい。

エキドナ曰く現在の嫉妬の魔女は魔女因子が欠けた状態とのこと。
askによると嫉妬の魔女以外の6魔女は因子と適合したとのこと。エキドナ曰くサテラは因子に適性がなく、それなのに因子を取り込んだせいで嫉妬の魔女とサテラが別存在となったとのこと。
同じくaskから白鯨がバテンカイトスに従う理由がダフネの因子によるとあるため、現在大罪が持っている因子はもともと魔女のものだったと解釈してよい模様。

魔女の臭い、残り香

スバルに染みついている嫉妬の魔女の臭い(物理的な臭いかどうかは不明)
死に戻りをするたびに、能力の暴露をしようとするたびにその臭いは強くなる。(薄れることがあるのかは不明)
また魔女の臭いに気付く人とそうでない人がいる模様。

魔女教

『嫉妬』の魔女を崇める集団。四百年前、魔女が台頭してた頃から活動している筋金入りの狂信者。騎士団に、即時滅殺の掟があるぐらいの極悪人の集まり。魔女教徒は神出鬼没で、しかも活動していないときの潜伏手段は一切が不明。根絶は四百年たっても進んでいない。奴らの目的は『嫉妬』の魔女の復活だと言われている。

大罪司教

魔女教には大罪の名を冠する六人の司教、いわゆる、組織の幹部がいる。それぞれが『嫉妬』の魔女とは別にいたという『怠惰』『強欲』『暴食』『色欲』『憤怒』『傲慢』の六人の魔女の大罪を「担当」している。選出条件は「魔女因子に適合するかどうか」で、現在『傲慢』担当の大罪司教のみ空位となっている。

マナ

魔法を使ったり、魔獣の食事であったり、精霊の糧として必要なもの。

魔法

火・水・風・土・陰・陽の六属性からなる。
基本は、熱量関係の火のマナ、生命と癒しを司る水のマナ、生き物の体の外の加護に関わる風のマナ、体の内の加護に関わる地のマナの四つに大別される。詠唱は、ゴーア(火属性。メラ、ファイア系統)、ヒューマ(火属性。ヒャド、ブリザド系統)、フーラ(風属性。バギ、エアロ系統)、ドーナ(土属性。クエイク系統)、シャマク(陰属性)など。威力は無印→エル→ウル→アルの順番で強くなる(例:ゴーア→エルゴーア→ウルゴーア→アルゴーア)。陰属性の有名な魔法は、相手の視界を塞いだり、音を遮断したり、動きを遅くしたりなど、妨害・能力低下系の効能があるデバフ効果。陽属性はバフ効果。作中でまだ明記はされていないが熱線を放つジワルド系の魔法は陽属性に属する可能性がある。
常人は火・水・風・土の内のひとつに適性があれば良い方である。魔法を発動するには詠唱という手段を用いるのが一般的だが、熟達していれば詠唱を言葉にしなくても発動する。

シャマク系

対象範囲内の意識と肉体の繋がりを分断する系統。シャマクで肉体が知覚できなくなる。エル・シャマクで肉体が操作を受け付けなくなる。ウル・シャマクで精神だけ飛ばす。アル・シャマクで肉体ごと異界送り。

扉渡り

禁書庫の扉と任意の扉を繋げる陰属性の魔法。限定的な『扉渡り』のような転移魔法で瞬間移動も可能。

ネクト

意思疎通の高等魔法。言葉にせずとも意思が伝わる。本来は難しいとされるが、陰陽を司る準精霊であるインとネスが、系統魔法の掛け合わせと二人のマナへの干渉を調律するとできるようになる。
作戦会議にはもってこいの魔法。効果はそれほど長くない上に、広範囲にまで通用するほどではない。付け加えれば、意識をある程度に共有するには互いの間にある程度の信頼がなければならないため、心を許しているのかどうかを測る試金石になる。
共感性が弱過ぎれば思考は届かず、強すぎれば他者と自分の境がわからなくなってしまう危険を伴うため、戦闘に応用するのは難しい。

復元魔法

使い手が少ない。

複製魔法

ひとつの物を二つに増やす使い手が少ない魔法。基本は土属性だが、複製するものによって違うことがある。生き物なんかだと真似できるのはガワだけだが、食い物あたりなら複製できると思われる。ただし、複製元もコピー後も両方やや劣化する。

ミーニャ系

淡い紫色の炎をまとった杭を生み出す陰属性の魔法。マナを結晶化させ、具象化した魔力で編んだ杭。先端を尖らせ、内側に破滅を詰め込んで、防御を貫通して肉体に突き刺さる。そのまま宙を飛ぶ魔杭は炸裂し、飛び散る破片が小さな杭となって周囲全方位の標的をズタズタに引き裂く。エル・ミーニャで四十本ほど生成される。

ムラク

重力の影響を軽減する陰魔法。軽く跳ねるだけで、その跳躍力がまるでバネ仕掛けのように体を上空へと運ぶ。その気になれば、風に乗って空も飛べる。風に翻弄される木の葉のように体が煽られるが、無様に宙で引っくり返ったりしない。

スバルとベアトリスのオリジナル・スペル

E・M・○系とも言うべきスバルとベアトリスの編み出したオリジナル・スペル。
それぞれ1日1回の使用限度がある、3種あるが3つ目は不完全との事で本編未出、たぶん小悪魔辺りではないかと編者は推測する。

E・M・M

3種あるスバルとベアトリスのオリジナル・スペルの一つ、『絶対防御魔法』。
ありていに言えばアストロンとか、20thセンチュリーボーイとか、あのへん。
ベアトリスの陰魔法でスバルの周囲の時間と空間を弄り、発動中スバルは身動きができなくなる代わりに、外部からの一切の干渉を受け付けなくなる。
『強欲』の権能はこの状態で自由行動が可能なので、この魔法はちょうどその下位互換にあたる。
有効時間はマナが尽きるまで、『強欲』の権能と違い心停止のリスクも負わない。

E・M・T

3種あるスバルとベアトリスのオリジナル・スペルの一つ、『絶対無効化魔法』。
ありていに言えばいてつくはどうとか、まあラノベの別作品を例に挙げるのは憚られるので自重するが、あのへん。
スバルとベアトリスを中心に十数メートルほどの球形のフィールドを形成、陰魔法の応用で範囲内のマナによる影響を無効化する。
ユリウスは魔法使いや技能の補助にマナを利用する者にとって天敵となる魔法だと評する。
対ロズワールを想定して開発した能力だが、要は強制的にステゴロに持ち込む魔法なので素で物理に勝る相手にはあまり有効ではないらしい。

魔法器(書籍版では『ミーティア』)

魔法使いのようにゲートが開いていないものでも、魔法を使えるようにできるという道具。

対話鏡

鏡を通して、別の場所と繋がることができる希少な魔法器。規格が大きすぎる備え付けのものが多い中、折り畳み式の手鏡のようなものは非常に珍しい。
魔力を込めて、縁に刻み込まれた刻印にマナを注ぎ込み初期起動さえさせてしまえば、あとは微量なマナを鏡自体が周囲から吸収し、役目を果たす。魔法器の中でも出回る数が多い代物だが、対の対話鏡と繋ぐには相応の手順を踏む必要がある。とりわけ、起動術式は繋いだものの自由にできる部分だけに、知っているものから聞き出す以外に引き出す方法は限られている。起動術式を解くと、鏡の縁が光を放ち、熱を持ち始め、光は徐々に強くなる。対話鏡の起動術式を解除すれば、繋がる他の対話鏡の場所を見つけ出すことができる。

魔法使い

ゲートを通じて外からマナを取り入れて、自分の体の中に溜めたマナを使って魔法を使うため、ゲートの大きさと数が、そのまま魔法使いとしての資質に関わる。

冥日

異世界特有の時間表現。夜の六時から翌朝の六時までを意味する。元の世界の午後の代わりに一般的に使用されており、一日の時間は二十四時間でほぼ元の世界と同一。書籍版では表現が異なっている。


  • 最終更新:2017-05-15 00:07:05

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